全世界が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)によって部分的あるいは全面的封鎖を経験している中で、韓国の「コロナ封鎖に伴う経済脆弱度」は経済協力開発機構(OECD)加盟国33カ国のうち14位であることが分かった。
英国週刊誌「エコノミスト」は今月24日号でOECD33カ国を対象に、封鎖に伴う経済的打撃が大きい「コロナ脆弱国」ランキングを発表した。
順位は下記の5つの指標の平均点数を計算して決めた。▼在宅勤務が不可能な仕事が国内総生産(GDP)で占める比率▼小売り・旅行観光などの産業比率▼景気浮揚策▼小規模企業の雇用▼雇用保護の程度(働き口安定性)--だ。エコノミストは脆弱性を決める要素で、特に▼国家の産業構造▼企業の構成(大企業・中小企業の比率)▼財政扶養効果--などに注目した。
中央日報がエコノミストの全資料を入手して分析した結果、韓国はOECD33カ国中14位だった。韓国の「在宅勤務が不可能な仕事の比率」は69%、小売り・観光業の比率は14%だった。観光業などのサービス業よりは電気・電子(IT)・製造業中心の産業構造を持っていることがコロナ時局では思いがけない「強み」として作用した事例だ。
韓国の順位は中間程度で、ギリシャ・トルコ(2位)やスペイン・イタリア・ハンガリー(6位)、ポーランド(7位)などよりは状況が良いほうだったが、日本(23位)や英国(31位)よりは脆弱なことが分かった。ただし、日本・英国などはコロナ関連財政を増やしたおかげで相対的に脆弱さがそれほど顕著に現れなかった可能性もある。
コロナ封鎖に伴う影響に最も脆弱な国は南欧のギリシャだった。ギリシャは在宅勤務が不可能な仕事が全体68%であるうえ、小売・観光業がGDPで占める比率も23%であることが分かった。この他に3位はスペイン、5位イタリア、15位フランスだった。高順位であるほど脆弱であることを意味する。エコノミストは「いくつかの南欧国家は米国や北欧よりもはるかに脆弱なようだ」と伝えた。
◆労働集約的な経済構造は崩壊…建設・観光業への依存は危険
まず注目したい要素は産業構造だ。エコノミストは「コロナによる封鎖は、労働集約的な産業に依存する国々を崩壊させる」と診断した。建設業や観光業(宿泊・航空・飲食業など)が代表的な例だ。観光業は南欧の非金融の職種8件のうち1件を占める。ギリシャ・イタリア・スペインなど代表的な観光大国が直撃弾を受けるとみる理由だ。
小売業の中でもコロナ事態に不利な業種とそうでない業種が克明に分かれた。オンラインショッピングも両極端で現れた。食料品や消毒剤など「必須な」オンラインショッピングは活況だが、「あまり必須ではない」オンラインショッピングと見なされるファッション業界は苦痛を受けている。
英国ファッション業界は前年同期比売上が25%減少した。欧州で衣類の在庫は増える一方だ。衣類ブランドZARAなどを率いるスペインのファッション企業インディテクスは在庫を処分するためは3億1300万ドル(約333億8700万円)が必要になると展望した。
難局を打開しようとする衣類企業のセールも続いている。H&Mが価格を70%下げ、ギャップ(GAP)も商品価格を50%割り引くことにしたことが代表的だ。反面、労働力があまり必要ではない大規模鉱山業は相対的に有利な展望だ。このような理由でカナダはコロナ封鎖にも善戦しているとエコノミストは付け加えた。
◆在宅勤務が可能でこそ経済の支えに…金融業有利
在宅勤務が可能かどうかもコロナ以降の経済には大きな影響を与える。シカゴ大学のジョナサン・ディンゲル氏とブブレント・ニーマン氏が発表した論文では、スイスの場合、全体45%が在宅可能な仕事だと推定した。スイス人の多くが金融産業で働いているため可能なことだ。エコノミストは「家でノートパソコンでできる産業」と説明した。反面、観光業が盛んな南欧で在宅勤務は「贅沢」な仕事だ。
◆小さい会社が多いほど不利、封鎖長期化すれば打撃が大きい
経済を支える企業形態もカギだ。エコノミストは小規模企業の比率が大きい国の経済は「シャットダウン」が長引けばより大きな打撃を受ける可能性が高いと予想した。イタリア人の50%は10人未満の会社に勤めている。反面、英国では10人未満の会社に勤める比率が20%で、米国はこれよりはるかに比率が低かった。
米国は小規模企業そのものは少なかったが、状況は厳しいことが分かった。現金保有が多くない小企業は売上が減れば生き残りが難しい。シカゴ大学・ハーバード大学の調査によると、米国の小企業のうち25%は1カ月分の手持ち資金さえ保有していない事実が明らかになった。
◆米国・日本は財政拡大でコロナ「緊急輸血」
33カ国のうち、コロナ財政支出を積極的に増やした国はオーストラリア(GDPの10.6%)・日本(GDPの10%)・米国(GDPの6.9%)などだった。新型コロナによる経済活動中断を「準戦時状況」と見なして緊急輸血を開始した。
コロナ脆弱国はこのような「財政拡大」を安心してできる境遇ではない。奇しくも2012年欧州発金融危機で問題になったPIIGS(ポルトガル・イタリア・アイルランド・ギリシャ・スペイン)5カ国のうち3カ国がそれぞれ脆弱国1・3・5位を占めた。経済環境が悪化したため、イタリア・スペイン・ギリシャなど負債が多い南欧国家は欧州連合(EU)に1兆ユーロ(約116兆円)以上の共同債券発行を要求している。EUがコロナ状況で財政的負担を一緒に負担しようということだ。
ひとまずEU加盟国は何回か合意に失敗した末に5400億ユーロ規模のコロナ経済対策には合意した。しかし、ユーロ圏共同債券であるいわゆる「コロナ債券」の発行では依然として対立している。
◆危機以後、先進国の中でも「玉石倶焚」…コロナが分岐点なること
今回の新型コロナを基点に、世界経済はBC(Before Covid19、コロナ以前)とAC(After Covid19、コロナ以後)に分かれることになりそうだ。
エコノミストは過去50年間のGDPデータを分析した結果、先進国の成長率は活況期よりは沈滞期に克明な違いを示したと報じた。2000年代前半期に最も実績が良かった先進国と最悪の先進国のGDP成長率年平均格差は5%ポイントだった。しかし2008年~2012年リーマンショックと欧州発金融危機に伴う景気低迷期間で、GDP成長率格差は10%ポイントに広がった。危機を通じて先進国の中でも「玉石倶焚」になったという話だ。
エコノミストは「経済危機は構造的弱点をあぶり出し悪化させる」としながら「今回の危機を契機として、国別に打撃が大きい側と小さい側が明確に分かれることになるだろう」と展望した。
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