2020年5月4日月曜日

金正恩氏の健康状態、なぜ重大視されるのか?多くの臆測を呼ぶのはなぜか?

首をすげ替えても厄介な国と言うのは変わらないのだが、トップが変わる事で多少たりとも融和を醸成させられる人物になるのか、核を放棄する可能性があるのか、解放路線になるのか。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が主要行事に姿を見せず、重病説が、さらには死亡説までもが浮上してから3週間近くを経て、同国の国営メディアは2日、金氏の写真を公開した。金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が主要行事に姿を見せず、重病説が、さらには死亡説までもが浮上してから3週間近くを経て、同国の国営メディアは2日、金氏の写真を公開した。

金氏は4月15日、北朝鮮の建国者で祖父の故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の生誕日を祝う記念式典を欠席。こうして金氏の健康状態や、誰が核保有国である北朝鮮のかじ取りを担うのかをめぐって臆測が飛び交った。金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の生誕日を祝う記念式典を欠席。こうして金氏の健康状態や、誰が核保有国である北朝鮮のかじ取りを担うのかをめぐって臆測が飛び交った。

金氏が公の場から姿を消すのは今回が初めてではない。2014年には6週間近く姿を見せず、再び現れた際にはつえをついていた。その数日後、韓国の情報機関は、金氏が足首の嚢胞(のうほう)摘出手術を受けていたと発表した。

金氏の健康状態が、なぜこれほど多くの臆測を呼ぶのかについて概説する。

■後継者は誰か?

金氏は10年近く権力の座にあるが、死亡した場合、北朝鮮政府は同国史上初めて未確定なままでの継承という局面に直面することになる。

故金日成国家主席の血筋である「白頭(Paektu)血統」が支配する北朝鮮では、支配者の地位は常に家族の問題となる。

世間に知られている金氏の3人の子どもたちはまだ非常に幼く、世界が認識する限りにおいて後継者は指名されていない。

金氏の妹で最も親しい助言者でもある金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)氏は、後継者の最有力候補と広く見なされているが、著しい家父長制社会である北朝鮮では、年長者であることや性別がいずれも重要視される。

■非核化交渉への影響は?

北朝鮮の最高指導者である金氏の権威は朝鮮労働党と軍に及び、すべての主要決定事項は同氏の承認を必要とする。

北朝鮮の核兵器をめぐる米朝協議は、金氏とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の間で3度の首脳会談が行われたものの停滞。このような状況下で金氏は公の場から姿を消した。

金氏が政治的能力を失った場合、または死亡した場合には、この交渉過程は不確実性を増すことになっただろう。

専門家はさらに、その場合には混沌(こんとん)とした権力闘争を招き、難民が北朝鮮から中国へと脱出しただろうと分析。それは、北朝鮮の外交的な後ろ盾であり、主要な貿易相手国である中国政府が長らく恐れていることだ。

韓国の首都ソウルにある梨花女子大学(Ewha Womans University)のレイフエリック・イーズリー(Leif-Eric Easley)教授はAFPに対し、「金氏の人物像や家族の来歴、そして北朝鮮の体制の構造により、金氏の健康状態は国の安定性や外交政策の主要変数となっている」と話した。

■多くの臆測を呼ぶのはなぜか?

北朝鮮は異常なほど不透明な国家で、経済成長率も国家機密として扱われている。

北朝鮮ウォッチャーや平壌駐在の外交官でさえ、内部の動向についての手掛かりについて、しっかりと統制されている国営メディアを大いに当てにしている。

秘密主義は権力者周辺のあらゆる事柄に関して徹底され、情報の欠如は臆測が無制限に広がる余地を生む。

金氏は、4月11日の朝鮮労働党政治局会議を主宰する姿が報じられたが、その4日後に開催された、北朝鮮の政治日程で最も重要な日である故金日成国家主席の生誕日を祝う記念式典に姿を見せず、金氏の所在が俎上(そじょう)に載せられた。

主に脱北者らが運営する韓国の北朝鮮情勢サイト「デイリーNK(Daily NK)」は、金氏が心臓血管手術を受け、平安北道(North Phyongan Province)の別荘で療養中だと報じた。

その直後、米CNNは匿名の米当局者の話として、米国政府は金氏が術後に「重体」となったとの情報を「注視している」と伝えた。

日本では、金氏が「植物状態」にあるとさえ報じられた。

だがその後、韓国の文正仁(ムン・ジョンイン、Moon Chung-in)大統領統一外交安保特別補佐官が、金氏は「健在」だとCNNテレビに語り、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も、金氏の健康状態悪化や死亡説についての報道を一蹴した。

米国政府の元北朝鮮アナリスト、レイチェル・ミニョン・イ(Rachel Minyoung Lee)氏はAFPに対し、「今回の件は、北朝鮮についての根拠のないうわさに対し、いかにわれわれが無防備であるかを思い出させた」「われわれには、しっかりしたスパイ技術を用いて北朝鮮を分析できるより多くの専門家が必要だ」と話している。

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